ポン桂戦法の是非は?vs.所司和晴七段
2017年3月16日、所司七段との一戦。所司七段は「定跡伝道師」の異名を持つ序盤研究の大家。ベテランの巧みな序盤戦術に藤井四段がどのように挑むか注目された。
戦型は藤井四段が角換わりから隙を見て45桂ハネを決行し、速攻を仕掛ける展開となった。
図は36手目22銀と、ポン桂を受けた局面。藤井四段の次の一手は?
難易度★★☆☆☆
①26角②24歩③97桂
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正解は①26角。
例えば△44角と受けても、▲37角で打った角が負担になる。
②24歩は△同歩▲同飛△23銀が一例で暴れきれない。③97桂は場合によっては有力になることもあるが、この局面では44歩で桂馬を殺されてしまい無理筋。
本譜は局面をコントロールした藤井四段が、無理攻めに的確にカウンターを合わせて勝利した。
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受けの極意vs.増田康宏四段
2017年3月13日、日本中が注目する対局が始まろうとしていた。Abema TVで配信された「藤井聡太四段 炎の7番勝負」は、若手精鋭からレジェンドクラスのタイトル保持者まで、選りすぐりの強豪7人と藤井聡太四段が対局する前代未聞の企画だ。藤井四段の健闘も期待されたが、「あまりにも残酷すぎる」という見方が将棋ファンの間では大半だった。これではまるで公開処刑ではないか。7名の強豪は将棋界最強のメンバーと言っても過言ではない。
記念すべき第1局は若手強豪の増田四段を相手に、藤井四段は角換わり腰掛け銀を採用。先手番ながら受け身の構えをとった。
図は66手目86香と増田四段が猛攻を仕掛けた局面。藤井四段はどう受けたか?
難易度 ★★★★☆
①87歩②86同銀③97玉
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正解は③97玉!
強く玉を立ったのが衝撃の一手。
①87歩は同香成から77香成、②86同銀も同飛から攻めが繋がる。
本譜は入玉含みの受け切りで、完璧な勝利。藤井四段の底知れぬ強さが浮き彫りとなり、7番勝負は俄然盛り上がってきた。
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逆転を掴む勝負手vs.大橋貴洸四段
2017年3月10日、大橋四段戦。大橋四段は若手の強豪で、プロ入りは藤井四段と同期。新人王戦予選での同期対決は、大橋四段が巧みな序盤戦術で局面を有利に進める。藤井四段も粘るが、大橋四段は手堅い差回しで付け入る隙を与えない。
図は117手目、大橋四段が遂に決めに出て、桂の成り捨てから94歩で角を詰ました局面。一見大差に見えるが、藤井四段は諦めていなかった。
難易度 ★★★★☆
①66角②64香③84角
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正解は③84角!
角をタダのところに差し出すのが勝負手。同香は85桂が厳しく、銀の質駒もあって先手玉は支えきれない。①66角は同金で二の矢がない。②64香は同銀で香車が端の受け駒として使われてしまう。
本譜は大橋四段が角を取らずに鬼辛抱をしたが、逆転した藤井四段は手堅く寄せ切った。
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独特な序盤感覚vs.有森浩三七段
2017年3月1日、有森浩三七段戦。有森七段のダイレクト向かい飛車に対して、藤井四段は天守閣美濃を採用。
図は49手目、有森七段が36歩と突いた局面。中盤の難所で、藤井四段の選択は?
難易度 ★★★☆☆
①53角②24銀③73桂
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正解は②24銀。
①53角は普通の感覚だろう。③73桂は将来的に桂頭を狙われやや危険。
本譜は24銀〜33桂と独特な駒組で上部を手厚くし、天守閣美濃の弱点を補強した。
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令和のバランス感覚vs.浦野真彦八段
2017年2月23日、浦野真彦八段戦。前回力戦棒銀で敗戦を喫した浦野八段は、金の力で抑え込みを図る現代では珍しい作戦を選択。内藤國雄九段がかつて得意とした作戦で、藤井四段の経験が少ない形に持ち込んだ。
図は46手目33桂と跳ねた局面。昭和の力戦に対して、令和の神童はどう戦う?
難易度★★★☆☆
①68金右②67銀③47金
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正解は③47金
一見飛車と金が愚形に見えるが、これが令和の感覚。
①68金右は平成の感覚で自然に見えるが、玉が固い一方で角打ちの隙が多く、桂馬も使いづらいため打開が難しい。②67銀は受け一方で、右辺を押さえ込まれてしまう。
本譜は36歩の打開を見せつつ隙を作らずに待ち、カウンターを決めることに成功した。
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急所を突く美濃崩しvs.北浜健介八段
2017年2月23日、北浜健介八段戦。北浜八段は切れ味鋭い攻め将棋で、近年は攻める振り飛車を採用することが多い。本譜は北浜八段がゴキゲン中飛車を採用、藤井四段は超速で抑え込みを図った。
図は116手目、92玉と北浜八段が際どくかわした局面。藤井四段が放った寄せの一手は?
難易度 ★★☆☆☆
①55角②62桂成③61飛成
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正解は①55角
55角が取られそうな金を活用し好点の角を除去する好手。
②62桂成は31角、②61飛成は同金で攻めが空振りしてしまう。
本譜は飛車角桂の飛び道具の連携で見事に美濃囲いを寄せきった。
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端攻めの受け方vs.竹内雄悟四段
2017年2月23日、竹内雄悟四段との対戦。竹内四段は若手の振り飛車党。藤井四段は居飛車穴熊を選択し、受けに回る展開となった。
図は76手目96歩と竹内四段が渾身の端攻めを放ってきた局面。藤井四段はどう受けるか?
難易度★★☆☆☆
①85桂②88銀打③84香
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正解は①85桂
端攻めをさらりとかわす85桂が好手。
②88銀打は97歩成から駒損が広がる。③84香は97歩成が詰めろで端攻めが直撃。
本譜は玉を右辺に脱出させることに成功し、最低限の被害で端攻めを受け止めた。
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